感染性胃腸炎とはウイルスによる胃腸炎の総称です。細菌による胃腸炎は細菌性胃腸炎といいます。原因となるウイルスには<ノロウイルス><サポウイルス><アデノウイルス><ロタウイルス>などがあります。食品などを介して口に入り、人の腸内で増殖し、嘔吐・下痢・腹痛をおこします。
症状:病原体によっても異なりますが潜伏期間は1~3日程度。ノロウイルスによる胃腸炎では吐き気・嘔吐・下痢・発熱・腹痛です。小児では嘔吐が多く・成人では下痢が多いです。乳幼児や高齢者では脱水症状を引き起こし重症化することがあります。
治療:ウイルス性胃腸炎では特別な治療法はありません。対症療法となります。制吐剤や整腸剤、脱水傾向がある場合には水分補給の目的で点滴をすることがあります。
予防:ノロウイルスには予防接種はありません。トイレの後や、調理・食事の前には石鹸と流水で十分に手を洗いましょう。便や吐物を処理する時には、使い捨ての手袋、マスク、エプロンを着用しましょう。処理後は石鹸と流水で十分に手を洗いましょう。ノロウイルスにはアルコール消毒は効果がありません。汚染された場所・トイレののぶや手すりなどは塩素系消毒薬を使用しましょう。塩素系消毒薬は金属を腐食させるので、金属部分は10分後に水拭きしましょう。また、塩素ガスを発生させるので、使用時は換気も忘れずにしましょう。
ノロウイルスの検査診断
下痢便を調べることでノロウイルス胃腸炎の検査診断ができます。保険適応は①3歳未満②65歳以上③悪性腫瘍に罹患している④臓器移植後である⑤抗がん剤・免疫抑制剤を使用している場合になりますが、それ以外は保険適応ではなく自費診療になっています。当院では基本的にノロウイルスの検査診断は行ってはいません。
登園・登校・出勤について
ノロウイルス胃腸炎には明確に定められた基準はありません。
発熱なく、食事もいつも通りに摂取できて、下痢もある程度改善していたら登園・登校は可能となっています。食堂などで働く調理従事者の場合は、個別に決められている基準があるはずですから、就業施設に確認してください。
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