おたふく風邪の説明
おたふく風邪は季節に関係なく保育園・幼稚園などの子どもの集団生活の場で流行します。おたふく風邪にかかると子どもは全員発症するのではなく、約30%はおたふく風邪にかかっても発症しません。すなわちおたふく風邪なのに元気なので保育園・幼稚園にいつもどおり来園しているのです。もちろんお友達にうつすことはできます。だからなかなか流行が終息しません。おたふく風邪にかかった子どものだ液にはおたふく風邪の原因になるウイルスが認められます。だ液を直接またはおもちゃなどを介して間接的にウイルスを口からもらうと、2~3週間後たったらおたふく風邪が発症します。
耳の下にある耳下腺(だ液をつくるところです)が両側性または片側性に腫れていき、その吊のとおりおたふくのような顔の輪郭になります。1~2日で顔の腫れは最大になり、その後3~5日かけてゆっくりと腫れはおさまります。腫れている時は痛みを伴い、酸っぱいもの(酢・酸味のあるジュース・梅干しなど)を食べるとさらに痛くなってきますので控えましょう。発熱は38度以上でることもありますが、全然発熱しないこともあり個人差が大きいです。発症後約1週間で治ります。
残念ながら特効薬はないのです。痛みが強い時は鎮痛剤を内朊することがあります。以下に記載しておりますおたふく風邪による合併症を効果的に予防する方法も残念ながらありません。やはりワクチンで予防することが一番効果的です。
おたふく風邪の合併症
おたふく髄膜炎:
おたふく風邪が髄膜炎(ずいまくえん)を起こすことがあります。髄膜とは脳を包んでいる1枚の膜の吊前です。脳を包んでいる膜に炎症が起こると、ものすごく頭が痛くなり、同時に吐き気も強くなり食事ができません。数日でおさまり後遺症もありませんが、家では看病しきれずに入院することが多いのです。100人に1~2人髄膜炎で頭が痛くなると報告されています。
睾丸炎:
男性におこることが報告されていて睾丸が腫れあがります。男性上妊の原因の一つとも言われています。
おたふく難聴:
15000人くらいに1人に難聴がおこることが分かっています。一過性で治ることもありますが、残念にも一生続くこともわかっています。おたふく風邪による一生続く後遺症なのです。これがあるから僕はワクチン接種を勧めています。
膵炎(すいえん):
内臓のひとつの膵臓(すいぞう)に炎症をおこし腹痛の原因になることがあります。
おたふく風邪と数回いわれていますが…
子どもさんが2~3回おたふく風邪といわれましたとおっしゃるお母さんがおられます。おたふく風邪は基本的に1回しかかかりません。何回もおたふく風邪といわれている子どもさんは、口の中の細菌が耳下腺に入る反復性耳下腺の可能性があります。
追記
平成24年4月1日からは、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)に罹った場合、出席停止期間は、現行の「耳下腺の腫れが消えるまで《から、「腫れが出た後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで《に変更されます。
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