立ち上がったり、寝返りをうったり、頭を傾けるなど、特定の頭の位置によって、景色がぐるぐる回るようなめまいやフワフワ浮いているような浮遊感がおこるときは、良性発作性頭位めまい症が考えられます。
耳の奥は内耳(ないじ)といって、聴覚を司る蝸牛(かぎゅう)というカタツムリのような部分と、平衡感覚を司る前庭とで形成されます。
内耳には耳石とよばれるカルシウムで作られた部分があります。その耳石がはがれてしまい半規管(はんきかん)内に迷入し浮遊することがきっかけになります。
頭の位置が止まっても耳石はまだ動いているので脳が勘違いし、その結果めまい・眼振(がんしん:目が自分の意思とは無関係に動くこと)が起こったりします。
治療:耳石を元の位置に戻してあげればよいのです。
右の内耳に耳石があるのか、左の内耳に耳石があるのか、3つある半規管のどこに耳石がはいったのか、に応じてめまいの体操がありますが、どこにはいっても効果のある体操を指導しています。最初は、めまい体操をすると半規管内で耳石が動くので眩暈を誘発することがあります。めまいの薬を処方することもあります。
良性発作性頭位めまい症は頭をじっとしていれは数分以内で改善します。もし1時間以上も持続するようならばメニエール病・前庭神経炎など他の病気を考える必要があります。
|