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オりオノクリニック月報
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2025年11月

アレルギー性鼻炎の話

季節性または通年型に鼻水がでたり鼻が詰まったり、鼻だけの症状ではなく、いびき・口呼吸・睡眠が浅くなり・睡眠時の無呼吸、目の周りに隈ができたり、目をこすったり、臭いが分からなくなったり、音が聞こえにくくなったり、副鼻腔炎をおこしたり。
アレルギー性鼻炎の症状は鼻だけにとどまりません。
鼻の中を覗いてみてみると鼻粘膜の色は 軽い鼻炎なら発赤していますが、強い鼻炎の時は白っぽく蒼白になっています。鼻粘膜の腫れもあり、強い鼻炎だとほとんど詰まっています。鼻水は さらさら透明色から、鼻炎がひどくなると粘調になり、さらには濁って膿性になってきます。
鼻の中を見ただけで鼻炎の診断が可能ですが、主要な診断検査としては①血清特異的IgE抗体検査(血液検査で種々のアレルゲンに対するIgEを測定します)②鼻汁好酸球検査(鼻汁内の好酸球が増加していることを調べる検査)をすることもあります。

治療について
年齢に応じて治療方針が異なります。鼻水が多いのか?それとも鼻づまりが強いのか?両方なのか?で鼻炎薬が異なります。

くしゃみ・鼻水が中心の場合
第2世代抗ヒスタミン剤を処方。くしゃみ・鼻水の原因となるヒスタミンをブロックします。症状が強い場合は鼻噴霧用のステロイド剤を併用使用します。
鼻づまりが中心の場合
抗ロイコトリエン剤を処方します。症状が強い場合は鼻腔噴霧用ステロイド剤を使用します。小学生以上ならば噴霧型血管収縮剤を1~2週間に限り使用しています。

加温・加湿:蒸しタオルを鼻の付け根に当てると、血行が改善し鼻づまりが和らぎます。加湿器で室内を湿度50-60%に保つことも鼻粘膜を落ち着かせます。
鼻の洗浄:生理食塩水で鼻の中を洗い流しアレルゲンや鼻汁を除去します。毎日することが必要です。鼻うがいを習慣づけることが奨められます。

舌下免疫療法
精製されたアレルゲンを少量含む錠剤を毎日1回舌の下で溶かします。5歳から開始することが可能です。治療期間は5年くらいと長いですが中止後も10年以上にわたって効果が持続することが期待されます。鼻炎から喘息へのアレルギーマーチをくい止めるための重要な手段と考えられます。

外科治療
標準的な治療では効果が得られない重症のアレルギー性鼻炎は手術療法の適応になります。小児ではレーザー治療で腫れた鼻の粘膜を除去します。成人ではレーザー治療以外に鼻の骨を除去したり、鼻の神経を切断する手術が行われています。




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